【FarCry5】ファークライ5レビュー

REVIEW

FARCRY5レビュー

ファークライシリーズを今まで一通りプレイしてきましたが、その人気やゲームシステムが波に乗ってきたのはファークライ3からでした。
ファークライ3そしてファークライ4では魅力的なボスに圧倒されてきました。もちろん主人公にも。
しかし今作の主人公はしゃべらなくなりました。
そうなったことで主人公としての魅力は減った気がしますが、主人公からキャラクターを排したことで主人公がプレイヤー自身という没入感を生み出しています。

今作からの変更点は他にもあります。
それは、ファークライの象徴的な行為でもあった「狩り」です。
「狩り」という行為そのものは残りますが、前作まで「狩り」によって剥ぎ取った皮からクラフトし得ていたスキルや能力拡張は、新しく「PERK」に集約され、剥ぎ取った皮自体をクラフトに使用することは無くなりました。
「狩り」そして今作から追加された「釣り」という行為はクラフトの代わりに「PERK」を解放する「PERKポイント」を得る「チャレンジ」と呼ばれるものの一部となり、「皮」自体及び「釣り上げた魚」は店へ売却しキャッシュ化でるようになりました。
探索の楽しみは減ったものの、直感的に入手できるPERKポイント・キャッシュのおかげで展開がより合理的に、よりスピーディーになりました。

次にわずらわしさ故に不評だった「タワーに登りマップを開放するシステム」が廃止され、プレイヤーが未踏の地を探索することによって「人物」と出会ったり、新たな「ロケーション」をみつけることでミッションの追加やマップの解放が起こるようになりました。
これは前述の「タワーによるシステム」より遥かにロールプレイ的で興味をそそられました。
加えて、兵士として雇うことのできる「人物(モブNPCキャラクター)」にも多少の個性を与えている点も、すごくロールプレイ的な部分を強調しています。

スピーディーと言えば今作はファークライ史上最大のマップということもあり、プレイヤーが自身で通って発見してきた「ロケーション」にファストトラベルできるのも、スピーディーさに拍車をかけています。

一方で、未完成な部分もあります。
マップは何人かの支配者によって、いくつかのエリアに分かれています。それぞれのエリアには「レジスタンスポイント」なるものが設定されていてレジスタンスに利する行動をとることで、そのポイントが貯まり規定値に到達すると支配者を「倒す」ことが出来るようになり「倒す」とエリア解放というシステムになっています。
なので、レジスタンスに利すると言ったように、その辺で住民をいじめてる様な雑魚敵を懲らしめたり、不意に始まるサイドミッションをこなすだけでも「レジスタンスポイント」は貯まっていきます。それは理解できるのですが、広大なマップを考慮した結果か、そういった敵とのエンカウントが非常に多くなっているのが問題ではないかと感じます。
エンカウントを都度、相手にしていると少量ですが「レジスタンスポイント」が蓄積されてしまうので主要なミッションを進めずともエリアの解放につながってしまう懸念があります。
その上エンカウントは車両の破壊工作や人質解放といった容易で単調な内容になりがちというのも問題に感じます。

その他にも主人公が唐突に敵に捕らわれてしまうイベントの存在。
このイベント自体に不満はないのですが、それが唐突に起こりストーリーから脱線してしまうこと、そして、その発生頻度、これについては賛否が分かれるところではないでしょうか。

と多少、未完成に感じる部分もありますが全体を通してみるとオープンワールドゲームとしての出来は非常に秀逸です。
それを支えるのはユニークな登場人物にあるかもしれません。
先にも話しましたが、過去作の魅力的なボス「バース」「パガン・ミン」に負けず劣らず魅力・狂気を放つ「ジョセフ・シード」と、その兄弟ジェイコブ・ジョン・フェイス、この悪役たちは、自由にオープンワールドを満喫していても、どこかプレッシャーを与えてくれます。

そして、それぞれにユニークなスキルを持ち、あらゆる面から主人公を助け、共に戦ってくれる「ガンフォーハイヤー」「ファングフォーハイヤー」の面々。
この「ガンフォーハイヤー」「ファングフォーハイヤー」は行動を共にすることが出来るNPCキャラクターです。その上AIで制御されている為とても有用で、それぞれのスキルに合せた指示に概ね的確に従ってくれます。
稀に「オイオイオイ」となるAIゆえの残念な行動をとることもありますが…
そこもまた、愛着が湧きます。

そしてファークライ5において特筆すべきは、高機能マップエディタを搭載した「アーケードモード」
その機能性はCS機の範疇を越えていると思わせるほど高く、独自のマップ作成はもちろん、別ゲームのマップをそっくりそのまま再現したりなど多くの可能性を秘めています。

詳細が知りたい方はコチラをどうぞ。

この「アーケードモード」のおかげで、飛躍的にリプレイ性は伸びると思うのですが「それよりストーリーに注力を!」という声があるのも事実。
では「アーケードモード」のしわ寄せがストーリーに来ているかというと、そうとも限りません。
マップの広大さは先にも触れましたが、それに伴いマップ上に散りばめられたアクティビティ・ミッションの数々。
通りすがりに思わず見入る景色。古き良きアメリカの風景。それらを再現するグラフィックは目を見張るものがあります。
そしてユニークなAIキャラクター達。
狂気に満ちた悪役。
これらが大いにストーリーを支えています。
なので、もし、それらに心を奪われたならプレイ必須のオープンワールドゲームではないかと思います。ファークライ史上最高のファークライ間違いなし。

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